【完】『雪の都』

年が、明けた。

桜子は気分転換も兼ねて、前に薫が話していた小樽の神社に行ってみようと思い立ったものか、手稲駅から快速の電車に乗った。

正月なのになぜか電車は混んでいて、よく耳を立てるとハングルや中国語らしき話し声である。

(前より観光客が増えたなぁ)

混雑した電車で揺られながら、小樽駅に桜子がたどり着く頃には雪は止んで、日本海の上には青空が広がっていた。



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