【完】『雪の都』

駅前の三角市場の階段を上がって船見坂を横切った先に、龍宮神社と書かれた小さな社の石段があった。

小さいながら格式は高いらしく、しかし地元の人だけが来るような静かな社でもあるらしかった。

並んでしばらく桜子は待った。

順番が来て参拝を済ませると、とりあえずと御籤を引いた。

封を開いた。

珍しく大吉で、

「今の縁を大事にせよ」

とある。

ふと桜子は薫の顔が浮かんだ。



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