【完】『雪の都』

《3》


しばらく過ぎて。

年が明けて初めてのステンドグラス教室へ桜子が顔を出すと、薫がいた。

「よぅ」

相変わらずのフランクな挨拶である。

そのとき。

御堂澤先生が青ざめた顔でやって来た。

「高梨さん…例の衝立が壊れてるの」

御堂澤先生の血の気はすっかり引いてしまっている。



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