【完】『雪の都』
《2》
まず定規を色ガラスにあてがい、ダイヤモンドカッターと呼ばれる工具でガラスに直線を引く。
「一度では切れないんで、何度か繰り返しけがくようにするとスムーズにゆきます」
御堂澤先生の説明は、その若さには似合わないほど流暢である。
深雪も桜子も少し手こずったが、桜子の方が瑠璃色のガラスが先に傷が入ったらしく、
「じゃあ割ってみましょう」
桜子が御堂澤先生の指示通りに力を加えてみると、瑠璃色の板ガラスは線の通りに細長くパリンと割れた。
「桜子さぁ、上手だよね」
深雪の黄色も最後は先生に手伝ってもらいながらも割れた。