囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
電話を鳴らすといつも通り入り口に人影があり
左東さんだ…と思っていると
予想に反した人が立っていた
「あ、彰貴さん?!なんで?ここに!」
「ん?丁度出る時間だったからね…左東は車に待機してるよ…」
だとしても辻堂グループの御曹司に従業員の狭くて暗めの出入り口は…
(に、似合わない…)
「有り難うございます…だけど…すぐ、行きましょう!」
私は慌てて彰貴さんの腕を掴んで歩き出した
「…何をそんなに焦るんだ?…まぁいいや…これから少し寄りたいところがあるんだが付き合ってくれるか?」
「はい」
左東さんに挨拶してから車に乗り込むと
彰貴さんが左東さんに何やら指示をしてから
すとんと隣に脱力して座り込み…こちらにに顔だけ向けた
「那寿奈、少しだけ話を聞いてもらえるか?」
「はい、どうぞ」
少し疲れた顔の彰貴さんはふぅと息を吐いた
「おめでとう第一関門突破だ…親父はすっかり信じていたよ」
「そうですか…それは良かったです。でも私は何もしていませんよ?
仕事をしていただけです」
特別なこともしていない
すると彰貴さんは唇だけで微笑んで小さくつぶやいた
「それが良かったんだ…親父の条件が分からなくってね。
今まで様々なタイプを試したんだ」
(そうなの??)
「この前のはモデルだったし仕事は出来そうなタイプだったんだけど
気に入らなかったみたいだし、その前はおとなしそうな華道の師範とかその前は…」
「あ…そうなんですね…」
「みんな美人を選んでたし、仕事もやってるし...何が気に入らなかったのか分かんねぇよな…」
それは結局まずは外見だったからじゃぁ…とは思ったけれど
私が言葉に詰まっていると左東さんが吹き出した
「左東…お前聴いてるなよな!」
左東さんの前ではなんだか幼く感じる彰貴さんだ
「差し出がましいようですが彰貴様、それは那寿奈さんが素敵な女性だからですよ」
「なっ、左東さん!そんなわけありません
私が素敵なんて!!!」
慌てて否定すると左東さんが首を捻る
「少なくとも貴女以外に私は名前も呼ばれませんでしたし、挨拶もされていません
そんな自然に気遣いできるという…那寿奈さんは素敵ですよ」
普段寡黙な方からそんな風に言われるとうれしかった
「ありがとうございます」
ふと横を見ると彰貴さんは腕を組んで、さらに考える時の癖で顎に指をあてながら何やら思案していた
眉間に皺が寄っているがその姿さえ美しいと感じた
左東さんだ…と思っていると
予想に反した人が立っていた
「あ、彰貴さん?!なんで?ここに!」
「ん?丁度出る時間だったからね…左東は車に待機してるよ…」
だとしても辻堂グループの御曹司に従業員の狭くて暗めの出入り口は…
(に、似合わない…)
「有り難うございます…だけど…すぐ、行きましょう!」
私は慌てて彰貴さんの腕を掴んで歩き出した
「…何をそんなに焦るんだ?…まぁいいや…これから少し寄りたいところがあるんだが付き合ってくれるか?」
「はい」
左東さんに挨拶してから車に乗り込むと
彰貴さんが左東さんに何やら指示をしてから
すとんと隣に脱力して座り込み…こちらにに顔だけ向けた
「那寿奈、少しだけ話を聞いてもらえるか?」
「はい、どうぞ」
少し疲れた顔の彰貴さんはふぅと息を吐いた
「おめでとう第一関門突破だ…親父はすっかり信じていたよ」
「そうですか…それは良かったです。でも私は何もしていませんよ?
仕事をしていただけです」
特別なこともしていない
すると彰貴さんは唇だけで微笑んで小さくつぶやいた
「それが良かったんだ…親父の条件が分からなくってね。
今まで様々なタイプを試したんだ」
(そうなの??)
「この前のはモデルだったし仕事は出来そうなタイプだったんだけど
気に入らなかったみたいだし、その前はおとなしそうな華道の師範とかその前は…」
「あ…そうなんですね…」
「みんな美人を選んでたし、仕事もやってるし...何が気に入らなかったのか分かんねぇよな…」
それは結局まずは外見だったからじゃぁ…とは思ったけれど
私が言葉に詰まっていると左東さんが吹き出した
「左東…お前聴いてるなよな!」
左東さんの前ではなんだか幼く感じる彰貴さんだ
「差し出がましいようですが彰貴様、それは那寿奈さんが素敵な女性だからですよ」
「なっ、左東さん!そんなわけありません
私が素敵なんて!!!」
慌てて否定すると左東さんが首を捻る
「少なくとも貴女以外に私は名前も呼ばれませんでしたし、挨拶もされていません
そんな自然に気遣いできるという…那寿奈さんは素敵ですよ」
普段寡黙な方からそんな風に言われるとうれしかった
「ありがとうございます」
ふと横を見ると彰貴さんは腕を組んで、さらに考える時の癖で顎に指をあてながら何やら思案していた
眉間に皺が寄っているがその姿さえ美しいと感じた