囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
彰貴さんが連れてきてくれたのは静かな公園だった
「着いたよ...左東ここに待機していてくれ」
「畏まりました。彰貴様、夜風は冷えますのでこちらをお持ちください」
左東さんは手にブランケットが入ったバッグを手渡した
「ありがとう…行こう那寿奈」
そのバッグを持ったのとは反対の手で彰貴さんは私の手を握り歩き出す
少しひんやりとした大きい手に胸がトクンと音を立てる
昼間来れば公園は木々に綺麗な遊歩道なのだろうけれど
今は暗く誰もいないので少し怖い位だった
木々の間を抜ける時には吸い込まれるような闇に少し身を震わせてしまう
「寒いか?」
「いえ、少し怖いなって…」
震えた私を気遣ってくれた彰貴さんに正直に話すと笑うでもなく
「そうか、こうすれば少しは違うか?」
肩を自分の方に引き寄せた
(?!き、緊張しますけど!!)
毎晩抱かれているとはいえ
(語弊があるよね、ただ抱き締められてるだけ)
毎晩一緒に寝ているとはいえ
(だから語弊があるよね、ただ横にいるだけ)
緊張で身体が硬直してしまう
「は、は…い…」
「もうすぐ着くから」
彰貴さんのぬくもりに緊張しながらも心が緩む
森のような場所を抜けると急に視界が開ける
・・・どうやら広場のようだ
急に星空が目の前にやってきて思わず声が出た
「うわぁ…」
見上ればプラネタリウムのように星空が広がっていて
都会にしてはよく星が見えていた
「都会の明かりもすごくて見える星は少ないけどな…空が広いから綺麗に見えるんだ…最近来られてなかったけど…何だか那寿奈に見せてあげたくなったんだ」
星を見るなんて小学生の天体観測でやったくらいで、あとはなかったけれど
「すごく綺麗です…嬉しい」
「良かった…綺麗だな…」
「はい」
二人で並んで夜空を見上げる
晴れていた今日、夜の星を遮る雲もなくよく見える
ぽっかりとあいた穴なのか自分が浮かんでいるのか
どこか非現実的にも思える闇の中で星々を眺めると
何だか自分の悩みがとっても小さく感じて…
気持ちが凪いでいく
ぼんやりとしていると
ガサっと衣擦れが聞こえた
そして
(え…)
気付けば星が見えなくなっていて
目の前いっぱいの彰貴さんが私の視線を独占する
抱き締められていると気づいて心臓が跳ねた
(…な、なんで?)
戸惑っていると…背中に回る手が私を優しく引き寄せ…
彰貴さんの爽やかな柑橘系の香りが鼻を抜けていく
「那寿奈…」
いつもよりもか細くて掠れた声で呼ばれれば胸が苦しい
「へ…」
何が何だかわからずにおかしな声が出る
(偽物の恋人同士…今は演技…)
「那寿奈」
もう一度彰貴さんが私を呼んだ
「はい…」
どんな風に彰貴さんが私を思っているのかは分からないけれど
この時私は気付いてしまった
(私は彰貴さんが好き…なんだ…)
「着いたよ...左東ここに待機していてくれ」
「畏まりました。彰貴様、夜風は冷えますのでこちらをお持ちください」
左東さんは手にブランケットが入ったバッグを手渡した
「ありがとう…行こう那寿奈」
そのバッグを持ったのとは反対の手で彰貴さんは私の手を握り歩き出す
少しひんやりとした大きい手に胸がトクンと音を立てる
昼間来れば公園は木々に綺麗な遊歩道なのだろうけれど
今は暗く誰もいないので少し怖い位だった
木々の間を抜ける時には吸い込まれるような闇に少し身を震わせてしまう
「寒いか?」
「いえ、少し怖いなって…」
震えた私を気遣ってくれた彰貴さんに正直に話すと笑うでもなく
「そうか、こうすれば少しは違うか?」
肩を自分の方に引き寄せた
(?!き、緊張しますけど!!)
毎晩抱かれているとはいえ
(語弊があるよね、ただ抱き締められてるだけ)
毎晩一緒に寝ているとはいえ
(だから語弊があるよね、ただ横にいるだけ)
緊張で身体が硬直してしまう
「は、は…い…」
「もうすぐ着くから」
彰貴さんのぬくもりに緊張しながらも心が緩む
森のような場所を抜けると急に視界が開ける
・・・どうやら広場のようだ
急に星空が目の前にやってきて思わず声が出た
「うわぁ…」
見上ればプラネタリウムのように星空が広がっていて
都会にしてはよく星が見えていた
「都会の明かりもすごくて見える星は少ないけどな…空が広いから綺麗に見えるんだ…最近来られてなかったけど…何だか那寿奈に見せてあげたくなったんだ」
星を見るなんて小学生の天体観測でやったくらいで、あとはなかったけれど
「すごく綺麗です…嬉しい」
「良かった…綺麗だな…」
「はい」
二人で並んで夜空を見上げる
晴れていた今日、夜の星を遮る雲もなくよく見える
ぽっかりとあいた穴なのか自分が浮かんでいるのか
どこか非現実的にも思える闇の中で星々を眺めると
何だか自分の悩みがとっても小さく感じて…
気持ちが凪いでいく
ぼんやりとしていると
ガサっと衣擦れが聞こえた
そして
(え…)
気付けば星が見えなくなっていて
目の前いっぱいの彰貴さんが私の視線を独占する
抱き締められていると気づいて心臓が跳ねた
(…な、なんで?)
戸惑っていると…背中に回る手が私を優しく引き寄せ…
彰貴さんの爽やかな柑橘系の香りが鼻を抜けていく
「那寿奈…」
いつもよりもか細くて掠れた声で呼ばれれば胸が苦しい
「へ…」
何が何だかわからずにおかしな声が出る
(偽物の恋人同士…今は演技…)
「那寿奈」
もう一度彰貴さんが私を呼んだ
「はい…」
どんな風に彰貴さんが私を思っているのかは分からないけれど
この時私は気付いてしまった
(私は彰貴さんが好き…なんだ…)