囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
「え?な、何も悪いことありませんよ?私は貴方の囚われの身ですし…」
その言葉に彰貴さんが視線を反らすから不思議に思うと
急に腕を後ろから回されて抱き締められる
「ヒャッ!」
すると、ふはぁ…と彰貴さんが気の抜けた息を私の肩口で漏らした
「そう、これこれ…この抱き心地…那寿奈、すごく抱き心地が良くて…」
スリスリと顔が首筋のところに当たる
「あ、の…」
「那寿奈に抱いて寝たら…すっげー幸せだから…」
いつの間にか口調が砕けている彰貴さん
「離せないって…思って…」
キュッと腕の力を込めて私を後ろから抱き締められる
苦しいほどの抱擁にも…私の気持ちは沈んでいく
普通なら甘い男女の行為なのかもしれないけれど
(これは完全に…)
「那寿奈はもう手離せない…」
(抱き枕と使用者よね…)
それでも彼が喜んでくれるなら…
(いいか…彰貴さんが幸せなら…)
「幾らでも抱いてください…私は貴方に囚われた身ですから…」
そう返したら
彰貴さんがガバッと身体を離した
「ちょっと待て…さっきっから囚われ囚われって、那寿奈、何か誤解してないか?」
肩をグッと持たれて顔を近付けられたらその整いすぎた顔に仰け反る
(ヒ、近い、近いー!!)
「な、何も望んでなんていません!抱き枕として傍にいますよ?誤解なんてっ」
「ほら、やっぱり」
彰貴さんが長い指で私の頬に触れた
「抱き枕だなんて思ってないよ…傍に居てほしいからだよ…左東にも言われて気付いたけど、オレ那寿奈が好きなんだと思う」
「思うって…」
(曖昧な!)
「情けないけど話した通り…好きになったことがないからこれが好きって感情なのか…正直分からないんだよ」
「そ、そうでしたね…」
「だけど、那寿奈が悲しそうな顔を見るのは嫌だし、楽しそうにしててほしいし、喜ばせたいし、何より離したくない…傍に居てほしい…」
(それって…好きってことですよね…)
自惚れのようだけれど私だって同じような感情を彰貴さんに抱いている
「じゃあ好きってことで…一応」
曖昧な関係だけれど、少なくとも嫌われてはいない
「うん!」
偽りの婚約者では有るけれど好きかもしれない人というおかしな関係…
その言葉に彰貴さんが視線を反らすから不思議に思うと
急に腕を後ろから回されて抱き締められる
「ヒャッ!」
すると、ふはぁ…と彰貴さんが気の抜けた息を私の肩口で漏らした
「そう、これこれ…この抱き心地…那寿奈、すごく抱き心地が良くて…」
スリスリと顔が首筋のところに当たる
「あ、の…」
「那寿奈に抱いて寝たら…すっげー幸せだから…」
いつの間にか口調が砕けている彰貴さん
「離せないって…思って…」
キュッと腕の力を込めて私を後ろから抱き締められる
苦しいほどの抱擁にも…私の気持ちは沈んでいく
普通なら甘い男女の行為なのかもしれないけれど
(これは完全に…)
「那寿奈はもう手離せない…」
(抱き枕と使用者よね…)
それでも彼が喜んでくれるなら…
(いいか…彰貴さんが幸せなら…)
「幾らでも抱いてください…私は貴方に囚われた身ですから…」
そう返したら
彰貴さんがガバッと身体を離した
「ちょっと待て…さっきっから囚われ囚われって、那寿奈、何か誤解してないか?」
肩をグッと持たれて顔を近付けられたらその整いすぎた顔に仰け反る
(ヒ、近い、近いー!!)
「な、何も望んでなんていません!抱き枕として傍にいますよ?誤解なんてっ」
「ほら、やっぱり」
彰貴さんが長い指で私の頬に触れた
「抱き枕だなんて思ってないよ…傍に居てほしいからだよ…左東にも言われて気付いたけど、オレ那寿奈が好きなんだと思う」
「思うって…」
(曖昧な!)
「情けないけど話した通り…好きになったことがないからこれが好きって感情なのか…正直分からないんだよ」
「そ、そうでしたね…」
「だけど、那寿奈が悲しそうな顔を見るのは嫌だし、楽しそうにしててほしいし、喜ばせたいし、何より離したくない…傍に居てほしい…」
(それって…好きってことですよね…)
自惚れのようだけれど私だって同じような感情を彰貴さんに抱いている
「じゃあ好きってことで…一応」
曖昧な関係だけれど、少なくとも嫌われてはいない
「うん!」
偽りの婚約者では有るけれど好きかもしれない人というおかしな関係…