囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
話が終わり廊下に出ると
彰貴さんは少し先のテラスで景色を眺めていた
風が彰貴さんの髪の毛を柔らかく浚いサラサラと靡く様も
憂いを帯びた横顔も無自覚なのに絵になる……何とも美しい人だ
「彰貴さん…終わりました」
「そうか…何を話したんだ?」
彰貴さんは私の手を引き寄せて胸の辺りで握って聞く
「フフ、内緒です…オンナ同士の内緒話ですから…」
私も秘密を引き継ごう
「チェ…ケチ…」
(ケチって……可愛らしいなぁもう…)
最近よく見せてくれるこんな彰貴さんの隙のある言動に
これは私しか知らない姿だと思うと……胸がキュンとする
「本当に母が小さく見えたな…」
「違いますよ……」
肩を落として悲しそうな彰貴さんの指に指を絡める
「彰貴さんが大きくなったんです。ね?」
(大丈夫、きっと、大丈夫…)
そんな風に指をキュッと握り、微笑みかける
「そうか、そうかもしれないな…そろそろ戻るか…オレは仕事にも戻らないと…」
「はい」
彰貴さんは一度目を閉じてから開くと私の唇にスタンプを押すように軽く口づけた
「有難う那寿奈…君がいてくれて心強いよ…」
「何もしてませんよ?」
「隣に居てくれるだけで、オレは救われてるから…何度も…ね」
「?」
見に覚えはないが彰貴さんがそう言うのなら傍にいられて良かった
病室に戻るとお義母さまはスヤスヤと眠っていて
傍にはお義父さまが来ていた
「父さん、オレ仕事戻るから…」
「ああ、安定しているし…めまいは薬の副作用かもしれないとのことだから…心配するな」
「ああ…」
お義父さまこそ、とても心配していそうな表情で彰貴さんの肩を叩いた
「那寿奈さんも戻りなさい」
「でも…」
仕事はお休みになったし、ここにいてお手伝いをしたほうがいいのではないかと申し出るとお義父さまがウィンクしてみせた
「夫婦水入らず…二人きりにしてもらえるとイチャイチャ出来て嬉しいんだが?」
「イチャイチャ…」
まさかお義父さまがそんな事を言うなんてとびっくりしていたら彰貴さんが呆れたように頭を掻いて私の手を引いた
「はいはい、お邪魔虫は退散……さ…行くよ那寿奈…」
「ではまた……」
そのまま私の手を引いて無言で廊下を歩く彰貴さん
入り口でようやく口を開いた
「まだ、きっと大丈夫だって思ってる」
「はい、お義母さまはまだまだ大丈夫です」
震えていた彰貴さんの手をぎゅっと握り返すと
彰貴さんが優しく微笑んだ
彰貴さんは少し先のテラスで景色を眺めていた
風が彰貴さんの髪の毛を柔らかく浚いサラサラと靡く様も
憂いを帯びた横顔も無自覚なのに絵になる……何とも美しい人だ
「彰貴さん…終わりました」
「そうか…何を話したんだ?」
彰貴さんは私の手を引き寄せて胸の辺りで握って聞く
「フフ、内緒です…オンナ同士の内緒話ですから…」
私も秘密を引き継ごう
「チェ…ケチ…」
(ケチって……可愛らしいなぁもう…)
最近よく見せてくれるこんな彰貴さんの隙のある言動に
これは私しか知らない姿だと思うと……胸がキュンとする
「本当に母が小さく見えたな…」
「違いますよ……」
肩を落として悲しそうな彰貴さんの指に指を絡める
「彰貴さんが大きくなったんです。ね?」
(大丈夫、きっと、大丈夫…)
そんな風に指をキュッと握り、微笑みかける
「そうか、そうかもしれないな…そろそろ戻るか…オレは仕事にも戻らないと…」
「はい」
彰貴さんは一度目を閉じてから開くと私の唇にスタンプを押すように軽く口づけた
「有難う那寿奈…君がいてくれて心強いよ…」
「何もしてませんよ?」
「隣に居てくれるだけで、オレは救われてるから…何度も…ね」
「?」
見に覚えはないが彰貴さんがそう言うのなら傍にいられて良かった
病室に戻るとお義母さまはスヤスヤと眠っていて
傍にはお義父さまが来ていた
「父さん、オレ仕事戻るから…」
「ああ、安定しているし…めまいは薬の副作用かもしれないとのことだから…心配するな」
「ああ…」
お義父さまこそ、とても心配していそうな表情で彰貴さんの肩を叩いた
「那寿奈さんも戻りなさい」
「でも…」
仕事はお休みになったし、ここにいてお手伝いをしたほうがいいのではないかと申し出るとお義父さまがウィンクしてみせた
「夫婦水入らず…二人きりにしてもらえるとイチャイチャ出来て嬉しいんだが?」
「イチャイチャ…」
まさかお義父さまがそんな事を言うなんてとびっくりしていたら彰貴さんが呆れたように頭を掻いて私の手を引いた
「はいはい、お邪魔虫は退散……さ…行くよ那寿奈…」
「ではまた……」
そのまま私の手を引いて無言で廊下を歩く彰貴さん
入り口でようやく口を開いた
「まだ、きっと大丈夫だって思ってる」
「はい、お義母さまはまだまだ大丈夫です」
震えていた彰貴さんの手をぎゅっと握り返すと
彰貴さんが優しく微笑んだ