囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
ある日、久しぶりの彰貴さんの休日

二人でハムエッグとレタスのベーグルサンドを朝食に食べていると彰貴さんが

「行きたいところがあるから、このあと支度して」

と言い出して…急にスーツに着替えたので、私は合わせるようにワンピースを着て…左東さんの運転で出かけた

街を抜けて辿り着いたそこは…

「え…彰貴さん?」

「きちんとご挨拶しないと…君を産み育ててくれた方々だからね…遅くなってすまないが、挨拶させてくれ」

パタンと車の扉を閉めてから
彰貴さんがトランクを開けて花を出した

そこは以前にも左東さんに連れてきてもらった私の両親の墓だった

花を手向け、水を掛けて線香に火をつけると彰貴さんは手を合わせて頭を下げた

「はじめまして…ご挨拶遅くなりまして申し訳ありません辻堂彰貴と申します、
お義父さんお義母さん…素敵なお嬢さんを育ててくださって有難う御座いました…この人しか居ないと確信しています…那寿奈さんと二人で幸せになりたいと思っていますので、どうぞ変わらず彼女を見守っていてください…」

彰貴さんの真っ直ぐな言葉に涙が溢れた

「彰貴さ…ん…」

「那寿奈、お義父さんお義母さんの前でもう一度言わせてくれ…君と幸せになりたい、君だけを愛していく…だから結婚…」

「はい!結婚してあげますー!!」

嬉しすぎて思わずそう言って抱きくと、彰貴さんがキョトンとして次に大笑いをした

「アハハ!まったく……君って人は…二度もプロポーズに重ねてくるとは……那寿奈は本当に可愛いな…敵わない」

(あれ?なんか私、また…間違えた?)

「あ、の…?」

「幸せにしてくれよ?幸せにするから…
二人で…幸せになろう…」

「はい」

腰を抱き上げ、彰貴さんが私に口づけたから
抱きついたままキスを受ける

煙と共に想いは天に届くだろうか

お父さん、お母さん
私、彰貴さんを幸せにして…幸せになります!


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