ブレイク!
「す、すいません!!」

私はあわてて体を引いた。

「その制服は、もしかして隼人君のお友達?」

にこりとほほ笑むその姿は紳士そのもの。

さわやかな店員さんに明るい照明。
ガラス扉の向こうの世界は、私が想像してたのとはまったくといっていいほど違ってた。

「隼人くーん。お友達が来てるよ」
「ち、ちが……っ!」

ぶんぶんと首を振ったのに、その姿はどうやら店員さんの目には留まらなかったらしい。

メガネの店員さんに呼ばれて、王子が振り向く。

「……あんた誰」

ですよねー!!

クラスメイトではあるけれど、それ以上でもそれ以下でもない。
ましてや好奇心で後をつけたなんて言えるわけもない。

なんて答えればいいの!?



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