桃野、悩みなんでも解決します!1
現実逃避と過去の記憶
『俺も、望架ちゃんに言われて見え方が変わったよ。望架ちゃんのおかげだね。ありがとう』
「佐賀野…、瑠衣くん………」
二人の真剣そうな顔に私はニコッと微笑んで言った。
「二人ともお互いを思いやれる良いカップルになるね!」
『え?』
「誰かを思って行動できる!それってすごいことってだな〜ってね!」
『望架…』
「そんな優しいカレカノはなかなかいないね!」
『望架ちゃんって本当にいい子だね…』
「え?!」
私たちが楽しく話ししているけど、真海先生はその輪に入ることも無く、さっきからずっと黙り込んだままだった。
「真海先生、どうかされたんですか?」
『…いや、』
端切れの悪い言い方に私は先生の顔を覗きこんだ。
真海先生は絶望したような顔で歩いていた。