桃野、悩みなんでも解決します!1
「私、人殺しなんですよ」
『…どういうことだ』
母親は私の十三歳の誕生日のときに死んだ。
死因は通り魔が母を殺したらしい。
今も捕まってなくて、その犯人はたまたま
母親を殺したのだろうか。
良い迷惑も越え、ふざけるな。
母が死んだ姿を見て、その死因を聞いたとき、
私は声を押し殺した。
涙は押し殺せなかった。
私さえ、私さえその場にいたらどうにかなって
いたかもしれない。
本当は私が刺されてたかもしれない。
それでも良かった。
良かったから、母にはママには死んでほしく
なかった。
あのときに私がいたら、違う人が刺されてた
のかな。
なんて色々考えた。
―最低だ。
あの時、私が近くのケーキ屋で買ってきてって
言っていたら、私がホールケーキを頼んで
なかったら、ママは確実に通り魔では死んで
いなかった。