桃野、悩みなんでも解決します!1
『ちょ、雅も鮮良も待てよー!!』
俺がそう言うと二人は無言だった。
鮮良は相変わらずにしても雅が黙り込むなんて……。
「…雅??」
雅はいつもとは違い、クスッと笑って言った。
『やっぱ欲しいモノは手に入れないとね』
「……えっ?」
『俺、望架ちゃん欲しくなっちゃった』
悪笑で笑う雅に俺は言った。
雅がこんなオーラするなんて初めてだ。
いっつもはアホ面して、女たらしってイメージしか無かったあの雅が。
「っ…、望架先輩じゃなくたって雅にはファンな女子が沢山いるよ。なのになん『見た?あの愛されキャラ』
「愛されキャラ?」
『俺よりも、響多よりも愛されてたよね、あの子』
雅は面白嬉しそうにそう言った。
けど、それの裏にはどこか哀しげな、そんな顔をしてたような気がした。