泣き虫な彼女【短編】
「あたし!諦められないの!…それに、あの彼女さんよりも全然あたしのほうが!」
華利奈よりも?
あたしのほうがいい?
何言ってんだよ…
「だからなに?それで俺が心移りすると思ってんの?あんたみたいな人…嫌い。」
華利奈より自分がいいなんてまだいるかも知れない…でも、俺は絶対そんな人を好きになんてなれない。
俺は、華利奈が好きだから。
「……彼女さんって泣き虫なんでしょ?高校生にもなって…。一緒にいて面倒じゃないの?」
みんな同じだ……
そうやってみんな聞いてくる。
面倒?面倒なのは、あんたと話すことだよ。
「面倒じゃない…華利奈を悪く言うな。…用ってこれだけでしょ?」
俺は、部活用のバックを肩にかけて彼女の横を通り過ぎた。
「海斗くん!あたしは諦めないから!!」
そんな声が後ろから聞こえても俺は気にしない…
もう、うんざりだ…