リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。






「ふぁあぁ……」



「ちょっとリオくん、すごいあくび。

寝不足?」



「そーかも」



登校中。



駅までの道を歩いているとき、リオくんは自転車を押しながら、ぼんやりと口に手をあてた。



私とリオくんは、いつも近くの駅まで一緒に行っている。



どうして駅までなのかというと、高校が別々だから。



私は地元の進学校、リオくんは隣の県の私立高校に通っている。



本当は同じ高校に通う予定だったんだけど、リオくんはバスケの特待生に選ばれて、その私立校に行くことになった。



今まで家でも学校でもずっと一緒だったから、違う高校に行くと聞いたときは、ちょっと寂しかったんだ。



でも前に友達に頼まれて、リオくんの好きな人を聞いたことがあって……。

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