リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



『リオくんってさ、好きな人いるの?』



『うーん、バスケがいちばんかな』



リオくんは真面目な顔でそう言ってた。



全ッ然話通じてないし、やっぱり天然だけど、


リオくんがバスケが一番好きなら、私は応援しようって決めたんだ。



そんなリオくんは、インターハイ常連のバスケ部で1年生ながらレギュラー入りを果たし、毎日遅くまで練習してる。



でも、それでも足りないくらいバスケが好きみたいで。



「夜中にやってた海外の試合見てたら、

ちょースゴい人いてさ!

俺もやりたくなっちゃったんだよね!」



「え?

まさか夜中に練習したの?」



「うん、そうだよ。

ちょーかっこいいんだよ!その人のシュート!」



ニコッと笑って、シュートのマネをするリオくん。


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