リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
「もー!
だから朝起きれなくなるんだよ!」
起こすのすごく大変だったんだから!
私が睨むと、リオくんは困ったように笑いながら、「ごめん」と片手を立てた。
「あはっ、そーだね。ゴメン。
でも、もうすぐできそうなんだ」
「何が?」
「ダンク」
「うそっ!?
すごいね!?」
そう言って、ハッと口に手を当てた。
しまった、つい……。
私、怒ってたはずなのに。
「でしょー?
まーでも、あとちょっと届かないんだけどね」
得意気に笑うリオくんを見たら、なんだか怒る気すらなくなってしまった。
それに、ほんとにすごいと思ってしまったから。
だってリオくんがバスケ始めたのは、中学2年生だもん。