リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
なんて、冗談のつもりで言ったのに……。
「……見れるよ」
「え?」
「てゆーか試合見に来てよ。
あとちょっと頑張ればできるよ。
だから絶対見に来て」
リオくんが急に真面目な顔して言うから。
…ドキン。
ほら、まただ……。
いつも寝ぼけててふわふわしてるのに、いきなり男の子の顔になるんだもん。
なんだか急に顔が熱くなって。
また、ドキドキと心臓がうるさい。
「うん……わかった」
ドキドキしすぎて、小さい声でそう答えると、リオくんはきらっきらの笑顔でガッツポーズした。