リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
そのまま信号が変わるのを待っていると、向こうから女子高生の2人組が歩いてきて、後ろで立ち止まり、
「ねぇ前の人、
西條バスケ部の東堂くんじゃない?」
「ほんとだー。
かっこいー」
キャーキャー言い始めたその人達が着てるのは、私の学校の制服。
すごいなぁ……リオくん。
他校生の間でも有名になってるなんて……。
「でねっ、ナナ。
その試合でさ……」
だけどリオくんは、女の子達が自分のことを話してること自体、気づいてないみたいで。
相変わらず、楽しそうにバスケの話ばかりしている。
だけどこういうのを見てると、正直、リオくんが住む世界の違う人に感じることがあるんだ。