リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
*天然な男の子
「リオくん!起きてっ!
もう7時だよ!」
「ん〜…ナナ……。
あと5分……」
高校1年生の私、春野七瀬(はるのななせ)の朝は、
幼なじみの、東堂理央(とうどうりお)くんを起こすところから始まる。
「ダメだよっ!
さっきから何回も同じこと言ってるよ!」
「う…ん……そだけど。
まだねむい……」
今日も、リオくんは30分以上前からずっとこんな感じで。
ベッドで抱き枕に抱き着いたまま、眠い眠いとうなっている。
寝相が悪いせいで、ふとんも毛布も足元でぐしゃぐしゃ。
真っ黒な髪は寝グセではねまくってる。
これ直すの大変だろうなぁ……。
同い年だし、リオくんのほうが背もずっと大きいのに、なんだか小学生くらいの弟がいるような気分になる。