リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
*教えてやろうか?
*
*
*
ある日の放課後のことだった。
これから純ちゃんと買い物行って、それから塾行って、
夜はリオくんに勉強教えて…と。
このあとの予定を考えながら教室で帰る支度をしていると、いつものように、
親友の、三波純(みなみじゅん)が私の席までやってきた。
「七羽!」
だけど今日はちょっと焦ってるようで、
「ごめん!今日の約束なんだけど、
4時から保健委員の仕事入っちゃって。
明日でもいい?」
そう言って、純ちゃんは手を合わせる。
そっかぁ…。
そういえば前に、文化祭の掲示物作らなきゃいけないとか言ってたもんね。
純ちゃんも大変だな。