リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
参考書を見ながら頭を抱えていると、とつぜん頭上から低い声がした。
「おっ、七羽じゃん」
「っひゃぁ!?」
びっくりしてバッと顔を上げる。
するとそこにいたのは…
「えっ、」
ウソ…!
「青山センパイ…!」
なんと、私の憧れの人だった。
同じ塾に通っている、
青山遥斗(あおやまはると)先輩。
アッシュブラウンの髪の長身イケメンで、歳は私より一つ上の高校2年生。
先輩はリオくんと同じ西條高校で、私は今まで塾以外で先輩と会ったことがなかった。
それなのにまさかこんなとこでろで会っちゃうなんて…。