リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
私が答えると、先輩はソファにカバンを置いて、その横に腰を降ろした。
そして店員さんにドリンクバーを頼むと、カバンからゴソゴソと筆箱やルーズリーフを出した。
い、いいのかな…?
先輩も私と同じで、課題やりに来たって言ってたよね?
それなのになんだか申し訳ない気がする。
「あの、ほんとにいいんですか?
うれしいですけど、先輩の課題が進まないんじゃ…?」
おそるおそる尋ねると、先輩は参考書を眺めたまま、あっけらかんとした様子でこう言った。
「別にいーよ。あれ位すぐ終わる」
「そ、そうなんですか…」
「うん。それにこの単元、次の模試の範囲だし」
青山センパイ……。