リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
それをこんな目の前で見ていると思うと、なんだか夢の中にいるようなふわふわした気持ちになる。
それに、憧れの人が私のために時間使って勉強教えてくれてるんだもん。
贅沢すぎることだよね…。
「で、この問題は…、
ここをこうして…」
あの後、先輩は問題をルーズリーフに書いて丁寧に説明してくれた。
途中式も全部きちんと書いてくれて、塾の先生に教えてもらうよりもわかりやすかった。
そしてあっという間に時間は過ぎて、もうすぐ塾が始まる頃…。
ファミレスを出ると空は暗くて、外灯やビルの明かりが通りをきらきらと照らしてる。