リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
「はぁー…、
疲れたけど思ったより進んだな」
先輩は大きく伸びをすると、こちらを見てニッと笑った。
「はい。センパイがわかりやすく教えてくれたおかげです。
ありがとうございました!」
感謝の気持ちをこめて、ぺこっと頭を下げた。
「だからいいって。
そんなかしこまらなくてもさ、」
すると先輩は少し呆れたようにそう言ったあと、口元をフッと緩めた。
「…俺もおまえと勉強できて楽しかったし?」
ドキッ
うわ…ヤバい。
この不意打ち。
かっこよすぎて心臓壊れそう…//
社交辞令なのはわかってるけど、先輩にそんなこと言われたら、やっぱりドキドキしてしまう。