リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。









同じ塾に通う青山遥斗先輩は、とにかく目立つ人だった。



パッと目を引くような背の高いお洒落なイケメン。



俺様気質でフレンドリーな性格。



塾内でも先輩を知らない人はいないんじゃないかってくらい有名人で。



廊下や自習室で先輩を見かけると、いつもたくさんの友達に囲まれているし、



もちろん女子からもモテモテで、先輩が女子から呼び出されてる光景を、何度も見たことがある。



だけど私と先輩は高校も違うし、最初のころはただ同じ塾にいるだけで、特に何か話すような関係じゃなかった。



私は全然目立つタイプじゃなかったし、塾のアイドル的存在の先輩は、むしろ違う世界の人だと思ってた。



だけど、夏休みの前くらい。


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