リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
「えっ、」
ウソ……。
まさか私、顔に出てた……?
そりゃあ……先輩に勉強教えてもらえて、お世辞でも楽しかったなんて言われたんだもん。
夢みたいな気分だけど…。
でもそれで一人ニヤけてたりしたら、すごい恥ずかしいよ。
「な、なんもないよ?
気のせいじゃないかな?」
「うん、そうなんだ?
じゃあ帰ろっか」
「う、うん……」
危ない危ない……。
リオくんが、恋愛とか全然興味ない人で良かったよ。
リオくんは聞いたとしても、別に「へぇー」くらいにしか思わないだろうけど。
先輩とリオくんは同じ学校だし、もし何かあって先輩に知られたりしたら、絶対引かれるもん。
それだけはホント勘弁だよ……。