リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。









駅から家までは、歩いて15分くらいかかる。



距離的にはたいしたことないんだけど、人通りの少ない暗くて狭い道も通るから、夜は一人で帰るには、ちょっと怖かったりする。



だからリオくんがいてくれて、ほんとはすごく心強いんだ…。



リオくんは自転車を押して、私は歩きで、その人通りの少ない狭い道を歩いていると、



「わぁー。

今日は星がきれいだね!」



リオくんは夜空を見上げながら



「ね、ナナ?」



と無邪気に笑った。



「そうだね…って。

リオくん、ちゃんと前見て歩かないと」



リオくんの自転車の進路には電柱がいくつも立っている。


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