リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
「あー。ぶつかるって?
だいじょうぶだよ、こうすればー、」
するとリオくんは自転車の車輪を斜めにして、ギリギリで電柱をかわした。
でもなんか危なっかしくて、思わずはぁ…とため息が零れた。
恐いもの知らずというか…リオくんのこういうとこが、やっぱり子供だなって思う。
リオくんは相変わらず楽しそうに星空を見上げたまま、ある方向を指さして。
「ねぇねぇっ、あの星座なんて言うんだっけ。
四角の中に星が縦にみっつあるやつ」
「オリオン座、だけど。
ちょっとリオくん、また前……」
気づけば、またリオくんは電柱に向かって歩いていて、思わず注意しようとした、そのときだった。
「ナナ、危ない!!!!」