リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
しかも、さっきまでの無邪気なリオくんからは想像もつかない、大人びた笑顔。
リオくんの腕の中に、すっぽりと収まっている私の体。
私の身長じゃ、リオくんの鎖骨くらいまでしかない。
この前身長の話をしたときは、見ればわかるなんて言っちゃったけど、こうやって密着すると、すごく身長差を感じてしまって。
──ドクン、ドクン。
なんだか急に意識しちゃって、リオくんの目を見ることができない。
「あ…ごめん、えと。
ありがと…」
「うん、どういたしまして」
うつむきながら小さな声でお礼を言うと、リオくんはスッと私の肩を離した。
そして自転車を1回後ろにバックさせて、車道側へと回る。