リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
「ナナ、危ないからこっち歩いたほうがいいよ」
そう言うリオくんは、またいつものふわふわした笑顔に戻っていて。
「……うん、ありがと」
あぁ、そっか……。ちょっと抱きしめるくらい、リオくんには大したことないことなんだ。
そういえば私たち、子どものころは、同じベッドでくっついてお昼寝してたりしたもんね。
そういうのと比べたらこれくらい、ささいなことだ。
だからリオくんは全然気にしてなんかいないのに……。
さっきリオ君に触れられた肩がずっと熱いままなんだ。
ドキドキと速くなってる鼓動も、全然収まりそうになくて。
多分、きっと……。
この満天の星空の下、こんなにキミを意識してるのは、私だけ──。