リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



「ナナ、危ないからこっち歩いたほうがいいよ」



そう言うリオくんは、またいつものふわふわした笑顔に戻っていて。



「……うん、ありがと」



あぁ、そっか……。ちょっと抱きしめるくらい、リオくんには大したことないことなんだ。



そういえば私たち、子どものころは、同じベッドでくっついてお昼寝してたりしたもんね。



そういうのと比べたらこれくらい、ささいなことだ。



だからリオくんは全然気にしてなんかいないのに……。



さっきリオ君に触れられた肩がずっと熱いままなんだ。



ドキドキと速くなってる鼓動も、全然収まりそうになくて。



多分、きっと……。



この満天の星空の下、こんなにキミを意識してるのは、私だけ──。


< 40 / 74 >

この作品をシェア

pagetop