リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。


しばらくそうやって声をかけ続けていると、リオくんはむくりと起き上がって。



「う~…わかった、がんばる。

で、次は…?」



眠そうに目をこすりながら、もう片方の手でシャーペンを持った。



「うん、えらいよリオくん!

それでここはね…!」



参考書を見ながら、リオくんに1から口で説明した。



ちょうどリオくんの机は窓側にあるから、私がベランダで教えながら、リオくんが机で書くことができる。



こういうとき、部屋が隣同士にあって良かったなって思うんだ。







「…あ、そっか!そういうことか!

できたよナナ!」



「うん、正解だよ。

おつかれさま、リオくん」



リオくんは元々頭は良いほうだから、本気でやれば、いつもあっという間に終わってしまう。


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