リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



もちろん、リオくんもそれにノッてくれると思っていたけど、返ってきた答えは意外なものだった。



「そっか。

だから嬉しそうなんだね」



「え?」



「今日のナナ。

駅で会ったときから、すごく嬉しそうだった」



リオくんはそう言って、目を細めて笑った。



「え…あ、そうかな。

ははっ…」



まさかそんなことを言われるとは思っていなくて、戸惑ってしまう。



「……」



とりあえず言葉を濁したところで、会話が途切れてしまって、なんとなく気まずい空気…。



わぁあ…どうしよう。



もしかして気分悪くさせちゃったかな?



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