リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



そんないつになるかわからないこと考えて、一人で落ち込んでるなんて…。



リオくんの言うとおり、やっぱり今日の私はなんかおかしい。



きっと青山先輩と勉強できて、浮かれてるんだ。



ちょっと落ち着こう。落ち着け私…。



ベランダの柵に手をかけて、スウッと息を吸って吐いた。



心を落ち着かせて、そして私も空を見上げた。



すると、屋根の間から見える空に、たくさんの星がきらきら輝いてる。



うわぁ、きれい…。



まるで宝石を散りばめたような景色で、なんか心が洗われるような感覚になる。



リオくんは微動だにせず、じっとそれを見つめていて、



静寂の中、家々の間を吹き抜けた風が、そっとリオくんの髪を揺らした。


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