リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
さらさらの黒髪。
いつ見ても整いすぎてる顔立ち。
そして、何かずっと遠くを見つめているような大人っぽい表情…。
まるで映画に出てる芸能人でも見てるようで、ついつい見惚れてしまう。
またかっこよくなったな、リオくん…。
見た目もだけど、ふいに見せる表情とか、すごく大人びて見えてドキドキしてしまう。
こんな人が私の幼なじみだなんて、よく考えたら本当にすごいことだよね…。
「ナナ…?」
そんなことを考えながら、ぼんやりとリオくんを見つめていると、
いつの間にか、リオくんもこっちを見ていて。
「どしたのナナ?そんなにジッと見つめて。
俺の顔、なんかついてる?」
「…っ!」