リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
だけど私達はただの幼なじみで、付き合ってるわけじゃないし。
これでも私は一応好きな人だっている。
てかその前に……。
「む、無理に決まってるじゃん//
だって…リオくん、
ベランダの向こうだし!」
「……あはっ。
そうだったね」
……そうなんです。
私たちは今、お互い自分の部屋にいて、電話で話しているんです。
と言っても、私とリオくんの部屋は家の配置的にすぐ隣にあって、
私の部屋のベランダから、リオくんの部屋の窓まで、数十センチしかない。
だからベランダから、リオくんの寝てる様子もばっちり見えるし、
「"じょうだん"だよ。
ナナ、顔真っ赤になってる」