リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
そう言ってリオくんに背を向けると、窓の取っ手に手をかけた。
だけど…
「あっ、ナナ待って、
もういっこだけ」
「…?」
リオくんに呼び止められて、振り返った。
「あのさ、前にも言ってたバスケの試合!
見に来てよ!
明日なんだけど!」
するとリオくんは、窓から身を乗り出しながら、大きな声でそう言った。
「試合?」
「うん、県予選。
そこの東体育館であるんだ」
東体育館…ウチのすぐ近くだ。
明日は土曜日だし、特に予定もない。
それに私もリオくんのバスケしてるところ、ずっと見てみたいって思ってた。
「うん…いいよ」
だからOKしてみたんだ。