リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
そういえば、リオくんの試合を見るのは中学以来かも。
きっとあのときよりすごく上手くなってるだろうし、楽しみだな…。
だけど浮かれてる私とは正反対に、リオくんは強気な笑顔で、目をギラッとさせて。
「ありがと。
明日オレ、がんばるから」
…ドキッ。
そう宣言されて、思わず心臓が高鳴った。
だっていきなり、さっきまでのふわふわしたリオくんから、男の子の顔になった。
「う、うん…」
最近のリオくんは、急に男の子らしくなるから、やっぱりドキドキしてしまう。
なんだろう、この気持ち…。
リオくんに対して、今までとは違う気持ちを感じることに、自分でも戸惑ってしまう。
だけど私には、その気持ちがいったい何なのか、まだわかっていなかったんだ。