リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
どうしたんだろう、今日は。
もしかして。試合前でリオくんも緊張してるのかな?
そんなことを考えながら、もう一度カーテンを閉めなおした。
それより私も準備しないと。
ベッドを整えて、クローゼットから服を取り出し、着替えていると。
コンコン、とドアをノックする音がした。
…、お母さんかな?
だけどそこにいたのは、まさかの人物で。
「ナナー起きてる?
入るよー!」
「えっ!」
この声…お母さんじゃない!
これって……!
「り、リオくん!!
今入ってきちゃダ、メ─……」
とっさに大声で叫んだけど、間に合わなかったみたいで。
ガチャンと音を立てて、ドアが開いた。