リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



「へへ、びっくりした?

今日はオレの方が先に起きたね。

って、あ……」




西條バスケ部のジャージを着たリオくんと、ばっちりと目が合った。



リオくんは、目を丸くしてぱちくりとさせる。



やだ、ウソ……。



私、いま下着しか着てな……、



「いやあああっ!」



とっさにベッドに置いていた服でかくして、しゃがみ込んだ。



……リオくんに見られた。



どうしよう、体の震えが止まらない。



顔から火が出そうなくらいに熱い。



恥ずかしすぎて泣きそう……。



だけどリオくんはドアのところに立ったまま、いつものようにニコッと笑って。



「あーごめん。

着替え中だったね」



「~~ッ//!

お願いだから、見ないで!下行ってて!」



恥ずかしくて、私は、服を顔にギュッと押し付けたままそう叫んだ。


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