リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。


「……はぁい、」



するとリオくんがそう言ったのと、階段をトントンと降りていく音が聞こえた。



「……っ」



ゆっくりと服を顔からどけると、部屋にはもう私しかいなかった。



……はぁ、びっくりした。



だけどドクドクと心拍数は上がったままで。



体は震えてるのに、全身が熱い。



リオくんのバカ……。



なんであんなに平気な顔してられるの。



そりゃあ、昔はお風呂とか一緒に入ったことあったけど、でも私達もう高校生だよ?



なのにどうして私だけ、こんなにドキドキしてばっかりなんだろう。



ねぇ、どうして?



わかんないよ、リオくん……。


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