リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



こんな態度じゃ、さっきのこと気にしてるのバレバレだよね。



でもやっぱり恥ずかしくて、普通になんてできないよ……。



ひとりドキドキしながら待ってると、遅れてリオくんも門を出てきて、いつものように隣に並んで歩き始めた。



「そういえばナナ。

高校の試合見るの初めてだっけ?」



だけど、今日の私は、リオくんが隣にいるだけで意識しちゃって……。



リオくんの問いかけも、全然聞こえていなかった。



─ドキドキ、ドキドキ。



どうしよう、何て話しかけたらいいんだろう?



さっきのこと……。



リオくんは悪くないのに叫んじゃったし、謝ったほういいのかな。



でも、自分から言い出すのは、やっぱり恥ずかしいし……。


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