リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



一人悶々と考えなら歩いていると、



「……あのさ、ナナ」



ふいにリオくんに名前を呼ばれて。



「意識しすぎだよ」



「えっ」



「昔は一緒にお風呂入ってたじゃん」



「~~ッ//!!」



リオくんてば何言って……//



まさかリオくんの口から、そんな事実を言われると思っていなくて。



驚きと恥ずかしさで、かぁあ//と顔が熱くなる。



「そりゃそうだけど……。

でもそれ幼稚園の頃の話じゃん!」



恥ずかしくて両手で顔を隠しながら、リオくんを見上げると。



「あっは……。

それもそうだね」



リオくんはそう言って、楽しそうにクスクスと笑っていた。




けれど、すぐに真面目な顔になって……。


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