リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
「けどさー。
そんな意識されると、俺も照れちゃうんだよね」
「…え?」
照れる?リオくんが……?
思いもよらない言葉に、聞き間違いかと思って、リオくんを見上げると、
リオくんは拗ねたような顔で、チラッとこっちを見て。
「だってナナ、最近急に大人っぽくなったじゃん」
「えぇっ!?」
びっくりして思わず大きな声が出てしまった。
だって……。大人っぽくなったって、私が?
全然そんな自覚ないし、考えたこともなかった。
それに、大人っぽくなったって言うなら、それはリオくんのほうだと思ってたし……。
「き、気のせいじゃないかな?
全然そんなことないと思うけどな……」