リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



「けどさー。

そんな意識されると、俺も照れちゃうんだよね」



「…え?」



照れる?リオくんが……?



思いもよらない言葉に、聞き間違いかと思って、リオくんを見上げると、



リオくんは拗ねたような顔で、チラッとこっちを見て。



「だってナナ、最近急に大人っぽくなったじゃん」



「えぇっ!?」



びっくりして思わず大きな声が出てしまった。



だって……。大人っぽくなったって、私が?



全然そんな自覚ないし、考えたこともなかった。



それに、大人っぽくなったって言うなら、それはリオくんのほうだと思ってたし……。



「き、気のせいじゃないかな?

全然そんなことないと思うけどな……」


< 60 / 74 >

この作品をシェア

pagetop