リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。



ははっと笑って否定すると、リオくんは納得のいかないような表情で。



「あるから」



そう言ったと思ったら……。



──グイッ。



急にリオくんに肩を掴まれて、顔を近づけられた。



急にリオくんに肩を掴まれて、電柱の陰に連れ込まれた。



な、に……。



「気づいてないかもしれないけどさ……。

ナナ、今自分がどんな顔してるかわかってる?」



「……っ」



低い声でそう囁かれて、心臓がドクンと音を立てた。



り、リオくん……?



どうしちゃったの急に……。



いきなりどんな顔してるって聞かれても……。



「わ、わかんないよ……//」


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