リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。
リオくんの返事を聞く前に、ピッと電話を切った。
窓の向こうのリオくんは、ポカンとした顔でスマホの画面を見つめている。
「リオくんのばか……」
スマホをギュッと握りしめたまま、熱くなった顔を隠すようにうつむいた。
だって照れるんだもん。
赤くなるに決まってるじゃん。
かわいいなんて言われたら……。
なんでリオくんは、そういうこと、恥ずかし気もなく言えるんだろう。
物心ついたころから、ずっとリオくんを見てきたけど……、
リオくんは天然だ。
しかもかなりの。
顔はすごいかっこいいのに、性格はふわふわしてるというか、のんびりしたマイペースで。