偽物の気持ち





「私は話なんてないんだけど。今、彼氏と一緒に居るのが見えないの?」


成が彼氏か…それでもいい。

私は気にせず、真っ直ぐ木下さんの顔を見て言った。


「前みたいなことされても、私は逃げないから。木下さんが私を嫌いなら嫌いでいい。だけど、周りを巻き込まないでね。」


そう言って私は保健室から出ていった。

周りを巻き込まないでね。この言葉にはきっと成のことが浮かんだから出た言葉だ。

成の優しい所を前の先輩みたいに汚してほしくなかったからだ。

伝わったかはわからない。

だけど、伝わってほしいと願う。

私は、那津と日向にこのことを話した。




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