偽物の気持ち
すると、成は私を体から外して顔を近付けてきた。
キスされると思って思いっきり目を瞑った。
初めてのキスで緊張していた。
それがわかったのか、成は唇ではなく、ほっぺにキスを落とした。
「これで今日は勘弁しとく!」
そう言ってニコッと笑った顔は幼い子どものようだった。
いつも、私より大人っぽい成を見返したくて私は仕返しをした。
「成!!」
「ん?」
チュッ。触れたぐらいのキスを成の唇に落とした。