偽物の気持ち
すると、廊下から女の子のはしゃぐ声が耳に入ってきた。
あ、アイツが来たんだ…
そう思いながら廊下に目をやった。
「おはようございます!先輩!」
「あ、うん!俺急いでるから」
そう言いながらニコッと後輩に笑顔を見せて走り去る波野 徹(なみのとおる)。
私の好きな幼なじみ。
「また朝練で遅くなったのかな…?」
「え?」
気付かないで独り言零してた私に驚いた那津。
何でもないと言って話題を変えた。