偽物の気持ち





腑に落ちない様子の徹を置いて私は屋上に向かった。

まだ、誰も居ない教室に一人で居るのよりは屋上で空を見ていたいと思ったからだ。

屋上に出ると、私は涙を流した。

あの頃の記憶が蘇る。

心が、また真っ黒に染められる。

誰か…成…


「成…っうっ…」


小さく呟いた。

助けてほしかった。

ほんとに私はずるい。

都合のいいように相手に助けてもらおうなんて考えている。




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